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日本におけるペンマンシップ

 


 

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皆様、大変お待たせ致しました!(笑)

日本におけるペンマンシップ(英習字)の後半のお話です。 

明治時代に日本に入ってきた英語教育ですが、それはペンマンシップの始まりでもありました。

当時の資料、授業で使われたと思われる「英習字帖」です。(発行・明治29年)








びっしりと全ページに単語が書かれています。

すごく装飾的なアルファベットですね。
そしてこの練習帳に書かれている完成度の高さはすごいですね!
英語を習い始めたばかりの人が書いたとは思えません…きれいです!

明治末期頃このアルファベットを美しく書くための通信講座があったことを知りました。

始めたのは明治44年、 吉田一郎 さんという方で、“大日本英習字研究会”という名の元で設立されたようです。

その経緯や内容などは資料が無いため詳しくはわからないのですが、

商業字体4か月、装飾字体2か月(いずれも ※スペンサリアンスタイル )、専用字体は自由となっていて6か月で終了し、会員番号もあったようです。
“スペンサリアン” で検索すると画像で確認できます。

専用字体というのは幅広のペン先を使って書く今でいうカリグラフィーでお馴染みの書体です。


この講座を通して知り合った愛好家たちが、 筆跡交換 (書いたものを郵便で送りお互い書いたものを見せあうこと)や、

直筆の作品を綴った 「廻覧誌」 なるものを二日間で次の人へ郵送して、廻し読みなどして切磋琢磨しあっていたとか。

今でいうとSNSやブログに動画や画像をアップする、みたいなことですかね。

全国にいる愛好家たちが書いたものを見て参考にしたり、
自分が書いたものを出すことで研鑽したり、、、

方法は違えどやっていることは同じですね(笑)

さて、資料によればこの英習字の愛好家たちを “ペンマン” と呼んでいたそうです。
書道家は“カリグラファー”ですよね。
ペンマンはペンマンシップに因んでいると思われますが、実際男性が多かったことにも由来していそうです。

黒いインクだけで、線の美しさをひたすら追い求める硬派な男たち、、、という感じがします。

そのペンマンたちを繋いでいた機関誌 『洋書道』 が国立国会図書館に保管されているという情報を得、早速見に行ってきました。
(人生初の国立国会図書館でした(笑))

機関誌は、全て手書きで細かな字でびっしりと書かれていました。やはり手書きというものは何か熱い思いが伝わってくるように感じます。

内容は英習字に対する思いやそれにまつわる思い出、人の紹介、書かれたもの、などなど。また直筆のものが貼られていたりもしました。

直筆の箇所を見るとやはり印刷とは違い、そこだけぎゅっと凝縮され、ひときわ輝いて見えました。
美しさを追い求めて英習字に励んでいた方々の輝ける情熱を感じました!

今現在では “日本ペンマンシップ協会” という団体名になり年に3回ほど機関誌を出しているようです。

また、日本でペンマンシップの通信講座を始めた吉田一郎氏著述の 『英習字の理論と実際』 (昭和7年)も国立国会図書館でデジタル閲覧が可能です。

歴史的な流れは 『ペン芸術の世界』(中野裕通著述)の本に詳しく書かれていてこちらは借りることが可能です。





この本にはフラーリッシングという書法(主に鳥が描かれる)も掲載されていて、(この本の表紙がそうです)

そこに掲載されていた詩に感動しましたので、引用させていただき、今回の締めくくりとしたいと思います…

英習字をペン芸術として昇華させていった先人達の熱い魂をしかと受け止めた黎楓でした。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

次回もお楽しみに!!

〜ペン字の広場・黎楓〜


“……天地の万物を捉えて単線化し
物に捉われずして万物を表し
色彩無くして万色を表す


…繊細の中に千均の重みを湛え
優美の中に凛然たる意気を蔵し
力の美と調和の極地


これぞ単線美術!!” (岩佐英一)


※「ペン芸術の世界」より引用

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

author:ペン字の広場, category:ペン字についてのコラム, 20:21
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